white coat



「ワン!」



玄関を開けるとまってましたと言わんばかりに吠えてじゃれるじろう




「あ、もこもこ」


「いや、じろうな」


「そういえばそうだった」





じろうとじゃれると顔をほころばせる杏乃




じろう拾ってよかった




「杏乃、腹減らない?」



「…いらない」



「そっか」



食欲が湧かないらしい



少しでも食べてもらいたいけど

無理に食べさせてもな





「あのさ」



「ん?」



じろうと遊ぶ手を止めた杏乃




「あたし学校行きたいんだけど」


「ぁー…学校ね」



学校いってたのか




「絶対行ってないって思ってたよね?」



「うん。もちろん」



「もちろんて…なんなら部活にもはいってるんですけど?」



「え、まじ?人見知り同好会みたいな?」



「ばか?そんなんないし。てかそれ同好会じゃん」



「はは。冗談だって。で、何部なの?」


「陸上」



「は?え?……マネージャー?」



「いや、部員」



…心臓病抱えながら?


さすがに発作起きんだろ…




「あ、幽霊部員か」


「…なめてんの?」



こいつ本気で言ってんのか?


よく生きてるよ。うん。



「いや、だって…発作起きないの?」



「さぁねー。たまに?」



「危険だろ」



「そうでもないよ。発作そんな簡単におきないし」



「ふーん。ま、いいけどさ」




すげーな。



< 35 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop