white coat



「あたしには誰もいらない。1人でいい。ずっと1人で生きてく。そう決めてた」



「うん」



「…でも…でも本当は…ほんとはッ!ずっと前に限界なんて越してたッ…寂しくて、悲しくて。何をしても苦しくてッ!」


「……」



「なんであたしだけこんなに苦しい思いしなきゃなんないのッ…

ねぇ教えてよ…
もう…壊れちゃいそうだよ…」




息ができなくなるくらい胸が苦しくなって


宮田の胸に思いっきり顔を埋めた




「今日で終わりな」



終わり?


…やっぱり宮田も離れてくの?




「杏乃がそんな過去にとらわれるのは、今日で終わり」



「…え、?」



「泣いていいよ。今いっぱい泣け。

明日から、そんなこと忘れるくらいの思い出を俺が山ほどつくるから。な?」



「…な、かないもんっ」




「……強がんな。もう1人じゃないから」





そのあとあたしは、声をあげて宮田の胸で泣いた


今まで我慢してた涙。


全部を。宮田にぶつけた。







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