みんなみたいに上手に生きられない君へ
「夏休みも毎日部活と補習で遊ぶヒマないし、今日が唯一の楽しかった日だよ」



あとはサッカー部のやつらで寄り道したりするくらいでむさ苦しい夏休みだよ、なんて冗談めかした言い方で付け加える和也くん。
 


「.....他には女子と遊んだりしないの?
和也くんなら、女子の友達もいっぱいいるでしょ?」

「うーん......。学校で話す友達はいるけど、女子でこんなに仲良くなったのは、月子が初めてだよ」

「......え、......うそ」



じゃあ、今まで彼女いたことないってこと?
あの和也くんが?

今彼女がいないのは知ってるけど、いたことはあるかと思ってた。



「ほんと。
手繋いだのも月子が初めて」

「ほんとに?
てっきり慣れてるのかと思った」

「なんだよ~、慣れてないよ~。
すげー勇気がいったんだからな~」

「......あ、ごめんね。
悪い意味で言ったんじゃなくて、なんていうか......」



なんだろう?

和也くんと初めて手を繋いたのが私なんて、すごく嬉しいんだけど、でもそれよりも。

絶対モテるのに、どうして彼女を作らないのかが気になる。なにか訳があるのかな?

もしかして、和也くんも圭佑くんと同じで、女子に興味がない人なのかな......。
 




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