【完】俺のこと、好きでしょ?






「奈帆、何で泣きそうなの?」


「小林先輩、卒業しちゃうよ」


「卒業しちゃうね。でもさ、俺的には他の男のことで泣かれる彼女をあやすの複雑なんだけど」


卒業式からの帰り道。


わたしはなぜか涙が出そうだった。


「会おうって言ったんだろ。なら今ここで泣くなよ」

「ギリギリ泣いてないもん」

「泣きそうなことが問題なんだよ」

「じゃあ、柊真くんが面白いことして笑わせて?」

「無理」

相変わらずの冷たさ……。

< 234 / 240 >

この作品をシェア

pagetop