最期の時間を君と共に
「はははっ、書こうじゃないか。ところで君たち、歩いていくつもりなのかい?」

「はいっ」

元気よく返事すると、おばあちゃんとハジメさんは顔を見合わせて、困ったような顔をした。眉は八の字になっている。

「歩きだと、1時間半はかかると思うよ。大丈夫かい?」

そんなにかかるのか……。私は大丈夫だけど、誓は大丈夫かな。

「ゆずき、行けるか?」

「誓、どうする?」

私と誓の声がかぶさった。お互い、目をぱちくりさせてから、ふっと笑った。
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