1ページの物語。
-君のタイプ-


「どんな女の子が好き?」


君のタイプの女の子になりたくて聞いた。


「タイプかぁ…僕の好きなタイプはね、」


君の彼女になりたくて



「いっぱい食べる子かな」


大食い女子になった。

いっぱい食べるのに体重をキープしなくちゃいけなくて大変だった。

でも食べた分運動して健康体になったし、何より食べる事が大好きになって美味しいお店をいっぱい知った。



「字が綺麗な子かな」


字が綺麗な女子になった。

硬筆を習い、習字を習ったら教室に通った所為で月謝代も掛かるし、指にタコが出来るほど字を書いた。

でも、そのおかげで字がすごい綺麗になってみんなに褒められた。



「何より笑う子かな」


いつもニッコリ系女子になった。


鏡と向き合いこして何度も何度も自然な笑みを自然とできる様練習したせいで口は痙攣するし、どの笑顔が良いのか途中分からなくもなった。


でも、いつも笑顔でいると明るく物事を考えられる様になった。



そう、君のタイプになればなるだけ努力も大変だったけどとても自分を磨くきっかけになった。

なのに


「タイプの真反対じゃない…」


君が選んだ相手はあの時言ったタイプと真反対の女の子。


お昼はパン1個、字は丸文字、笑ってる顔なんて見た事ない。

そんな女の子を君は選んだ。


どうして?

私の努力は?


私じゃない女の子と手を繋いで帰る君の背中を見る事に辛さを感じなくなった時気付いた。


タイプと好きになるのは違うという事と、

タイプの女の子になるんじゃなくて、自分の良さをアピールして自分をその人のタイプにすればいいと言う事。



次に好きなった人は大食いで字が綺麗でいつもニッコリ笑う私を好きにさせたい。


そう見た事ない笑顔で笑う君を見て強く思った。



【君のタイプ】


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