ナナクセ探し 中学生編
寝る時は布団の中に器用に鼻先を使って入ってくるんだよ。

もう、大事な家族だよね。

あ、村上君って犬、飼った事ある?」


「うん。今はいないけど、外犬をね。」

「へえ!何て名前?」

「ラッキー。

俺が小学5年の時死んだけど。」





修学旅行の夜、二人きりの部屋で犬の話をしていた。

体は部屋の端と端に離れていたけれど、心は寄り添っているかのように感じられた。





しばらくして、前田たちの賑やかな声が聞こえてきた。

俺たちに聞こえるように、必要以上に大声にしているらしい。


「村上ク~ン!たっだいま~!!
開けるよ、開けちゃうよ~!
本当に開けちゃうからね!」

ガチャガチャと戸が開き、前田たちが部屋を見渡す。


初めに俺を見つけ、一人で座っていたので、おや?っという顔をして見回すと、随分と離れた所の隅に彼女が座っているのを見つけ、驚いている様だった。

「あっれ~?
何で、そんなに遠いの???」

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