ナナクセ探し 中学生編
「さてと、飲み物でも買いにいくか。
川野も行く?」

彼女に手を差し出すと、嬉しそうに手を繋いで立ち上がった。

一時間近く縮こまっていたので、体がギシギシ言ってる。


一階の売店に行くと、松木と篠田に出会った。

「あ、ミツコだ~。
ねえ、ねえ、この巾着袋、お揃いで買わない?」

篠田が川野に話かける。

「へえ、可愛いね。
買っちゃおうか。」

女二人で買い物に行ってしまう。


俺はとてものどが乾いていたので、自販機でスポーツ飲料を買い、近くの椅子に座って飲みはじめた。

「へえ、やけにのどが乾いているみたいだね?

前田たちに二人っきりにされたんだろ?」

「ああ。知ってたのか。」

「まあね。
俺はそうなる前に、ヒロミとロビーで待ち合わせたけどね。

疲れているね。」


「ああ。」

肩をすくめて隣に座る松木を見た。

彼女たちはまだ、買い物をしている。


「その様子だと、何も無かったようだな。」

「当たり前だ。」

「ふうん、当たり前ね……。」

意気地なしと思ったのか。
我慢強いと思ったのか。

俺は皆にお膳立てされた状況で踊らされるのは御免だった。
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