ナナクセ探し 中学生編
はっと、思った。

彼女、松木の事が好きなのだろうか?

そう思いはじめると、それが正解に思えて、胸が痛んだ。


彼女が、俺との間に置いたポップコーンに手をのばすのが見えた。

意地悪をしてやりたい気持ちが芽生え、俺もつい、手をのばしてしまう。

「あ……。」
手がぶつかり、彼女が驚き手を引っ込め、こちらを見る。

「悪い。」
彼女の目を捕らえた。


そうだ。
松木なんかより、俺を見ろ。
そんな感情が沸き上がる。


彼女は、と言えば、何かに脅えたような目だった。


溜め息がこぼれ出てしまう。
怖がらせるつもりはないのに。



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