君の隣で花が散る
チョコバナナを片手に私達は歩いていた。

れおはチョコバナナをしげしげと見ていた。


「食べないの?」


よくみるとれおのチョコバナナは買った時とそのままだった。

つまり、まだ口をつけていないということ。


「......」


れおは何も言わず穴が空くほどチョコバナナを見つめていた。

そして、恐る恐る口に入れた。


「......うまっ」


静かにれおは呟いた。

私は吹き出してしまった。


「なんだよ」

「ううん。なんでもない」


やっぱり知らなかったんだね、チョコバナナ。

もう、意地張っちゃって。

れおが薄く微笑み、チョコバナナを食べている。


なんだろう。

普段かっこいいれおの、こんな姿を見たことがあるのって、この学校だけじゃ私だけじゃないかな。

そう考えるとれおのこと、どうも思ってないけどなんか嬉しかった。
< 60 / 76 >

この作品をシェア

pagetop