上司な同期は激甘サンタ
背中が温かいものにぶつかる。


「寄り道せずに帰って、お利口さんにサンタ待ってるんだぞ。」

振り返って見上げた木崎君の顔が真剣だから目が晒せなくなる。


驚く私にふわりと優しく笑って念を押した。

その笑顔があんまり甘くて色っぽかったから、私は思わずこくん、と頷いた。



私の反応に納得したのか、「約束だからな」ともう一度念を押してから、木崎君は掴んでいた肘を離した。そしていつかの夜みたいにポンポンと優しく頭を撫でてオフィスに戻って行った。



残された私はしばらくその場から動けなかった。
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