bajo la luz de la luna

―verdad y reconciliacion

『未来。また随分と思い切ったな?私が居ない間に色々と事が進んだようだが。』

『パパ……旅行中ではなかったの?』

『嫌な予感がしたから、急遽予定を切り上げて戻ってきた。私は何も、遊び回っていた訳ではないんだよ。
これには事情があってな……今すぐ説明したいんだが、まずはフリアンの息子に話を付けなければいけないようだな。』



 視線をアタシからフランシスコに移し、父が言う。その漆黒の瞳は、深い悲しみに満ちていた。



『……フランシスコ、すまなかった。本来なら、あの事件の直後に話すべきだったのかもしれん。
未来やお前達……他のマフィア連中にも、本当に申し訳ないと思っている。これから真実を話すから、聞いてくれないか?すぐに誤解も解ける筈だ。』



 フランシスコが複雑な顔をした。“今更何を……”と言いたげな、そんな表情だ。でも、“誤解”という単語が出てきたからだろうか。奴は黙って耳を傾けることにしたらしい。

 父は介抱されている群をチラリと横目に入れ、『出来れば起こしてやってくれないか?』と口にする。容体が安定したらしい彼が、そろそろと目を開ける。それを見たら、強張っていた肩の力が漸く抜けた。
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