僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。
少し青ざめながら聞くと、フレアは妖艶に笑った。
「…もし、そうだとしたら?」
「……!!」
ぞくりと、鳥肌が立った。
しかしフレアはすぐにいつものお調子者のような笑顔に戻る。
「冗談だってばー……」
そしてフレアの視線が鋭くなり、横を素早く向いては大剣を引き抜いた。
その大剣は思ったよりも大きくて、華奢な彼女の腕で果たしてそれを使いこなせるのかと心配になるほどには。
俺の腕に絡みついていたネリスも、俺から少し距離をとり、先ほどの木の枝をフレアの方向へ向ける。
「…な、な、なにが…」
「下がってな、和玖!!」
「!?」
張り詰めた空気と大きなフレアの声で、俺は2.3歩後ろに下がった。
…そのとき。