道の果て・・

夏休み

この夏は私と夏生にとっては
キラキラと輝く幸せの夏だった。

2人で毎日のように会い、
行く当てもなくとも一緒に
過ごすことが幸せそのものだった。

今日は2人で海まできていた。
海水浴客もチラホラいたが
もぅお盆前だったので
それほど人はいなかった。

2人は水着を持ってこなかったことを
少し後悔したが、浜辺で
遊んだりするだけで充分楽しめた。

手を繋ぐこともすっかり慣れた
私達は、それ以上のことを
求め合っていた。
私からは恥ずかしくてとても
そんなことは言えなかった。

夕暮れの海を見ながら2人は
並んで砂浜に腰をおろしていた。

繋いだ手がぎゅっと握られて
私は夏生の方に顔を向けた。

彼はそっと私の唇に唇を
重ねた。
2人は初めてのキスにどんどん
はまっていった。
何度も何度もその感覚を
確かめるように
キスを繰り返した。
< 13 / 92 >

この作品をシェア

pagetop