道の果て・・
第3章

幸せ

成人式が終わり、2人で
都会へと戻ってきた。

お互いの家を知るとこんなにも
近いことに本当に驚いた。

久々に繋いだ夏生の手は、中学生の
時に初めて繋いだ手のように
私をドキドキさせた。

そしてその日は私のアパートへと
彼はやってきた。
夏生は私の部屋を見て
驚いた。
そこにはほとんどなにもなかったから。
生活できる最低限のものしか
なく、私がどのように
生きてきたのかを夏生は感じて
「大変だったんだな」
そう言って、抱きしめてくれた。

そして、テレビの上にある
あのボタンを見つけて
夏生はうれしそうにそれを
撫でた。
そのボタンは中学の卒業式に
夏生が送ってくれたあの、第2ボタン。

私達はもぅ離れないと
離れられないとそう思うと
2人は同じように互いを
求めた。



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