道の果て・・
第5章

それでも

私は悩みながらも、新しい生活を
初めていた。
もぅ本当に終わりなんだと
ゆっくりと考えてしまえば、
生きていくことすら意味が
ないように感じた。
だからなるべく、なにも考えないで
いいように、まだ、たくわえはあったが
すぐに仕事を探した。

私はもぅ後ろを振り向かずに
生きていかなくてはならなかった。

新しいマンションを借りて
仕事も夏生の両親に反発するかのように
またホステスをはじめた。
このときに、初めてこの仕事で
生きていく覚悟を決めたのかもしれない。

最初にしたことは、彼の両親に
お金を返すことだった。
なによりも先にそれをした。
それは本当に悔しかったから。

私の愛情と夢をお金で買われた形が
とても許せなかった。

なので、彼宛てに送ることにした。

もぅ彼が迎えに来ることを
期待したりしたくなかったので
住所は書かなかった。

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