俺様教師に恋なんか


「なんでですか?」

「へ?」

「なんでもう気にしなくていいんですか?」

「...へ??」


振り返ると頭にハテナマークをたくさん浮かべる先生。



ど...どうしよう。言ってしまった。


けど会話を盗み聞きしてましたなんて...言えないし。



「...っなんでもないです!さよなら!」


「あ、おい...!」



塾を出て思い切り走った。



地面には散った桜の花びらがたくさん落ちている。



それを踏む度に涙が零れそうになった。



なんで...


なんで私、こんなに悲しいの?


もう分かんないよ。


先生の考えてることも......自分の気持ちも......なにもかも分かんない。



「はあっ、はあ...!げほっ...」



夢中で走ると家の前まで来ていた。




玄関にも桜の花びらがたくさん落ちていて、またヒラリと1枚目の前で落ちた。








春はもう終わりを告げていた。







そして私の気持ちも......







< 137 / 202 >

この作品をシェア

pagetop