俺様教師に恋なんか
夜中。
なかなか寝つけなくてむくりと起きた。
横では柚と大河が毛布にくるまってスヤスヤ眠っている。
なんやかんや文句を言っていたが眠るのは早かった。
...ったく。
寝顔は可愛いもんだな。
水を飲もうと思って部屋を出て、起こさないよう扉を静かに閉める。
冷たい水がノドを潤した。
あの扉の向こうに晴が寝てるんだよな...。
......だからって別になにもしないけど。
はあ。
晴は俺のことどう思ってるんだろう。
塾に通っている間は嫌でも顔を合わせなければいけない存在だし...
あんなこと言われても迷惑だよな。そりゃそうだ。
けれど晴の反応を見るとなんだか期待せずにはいられなかった。
「...俺なんかより同年代のやつと付き合った方が幸せだよな......」
柚とか、な。
ふと部屋に降り注ぐ月の光が明るいことに気が付き、ベランダに出た。
空気を肺いっぱいに吸い込むと気持ちよかった。
月がまん丸で大きい。
今夜は満月か。
ぼーっとそれを眺めていると、後ろで物音がした。