俺様教師に恋なんか




カレンダーを見ると、あの日から3日が経過していることが分かる。



そして今日はこれから塾へ行く。



時刻は6時半。そろそろ出ないと間に合わない。



「あ〜けどな〜〜〜」


「晴ー?そろそろ出なさーい。遅刻するわよ〜」


「……はーい」


1階からお母さんにそう言われた。


分かってはいるんだけど……どーにもこーにも……。




ちなみに、お母さんにも翠にも、和泉先生の家に行ったことは言ってない。


だってね……。もし言って、先生がインコーなんとか罪で逮捕されたら困るし……。まあされないだろうけど。


マフラーもまだ返せてないし……。


ああああああ!!!



し!か!も!!!



先生の顔を見ると色々思い出しちゃって、勉強に集中できない!!!



やばいよ!!テストは明日だってのに!!!




塾の授業中も、先生のことチラッと見たりしても、なんか普通だし……


他の生徒の質問にも普通に答えてるし……。



なんであんな普通なんだよぉ……。



……やっぱり、慣れてる?



そりゃあ年上だから当たり前だけど……。



……え、慣れてるの?ほんとに?マジで?



……。




…………。



なんかアタフタしてるの私だけで、むかつく!!



「くっそーーー!!!」



……よし!!決めた!!!


今日塾行ったら、なるべく普通にして、マフラー返して、真剣に授業に取り組もう!!!



私があいつのせいでモヤモヤしてるのなんか悔しいし!!!



そうだよ!あんなのよくあること!!!



よくあること……。




『のこのこ男の家に1人で上がるなよ。どうなっても知らねぇぞ』




…………!!!


ち、違うし!!別にドキドキなんかしてないし!!


くっそぉ。やっぱり……1発言ってやるーーー!!!






私は先生のマフラーを鞄の奥にしまい、家を出た。



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