謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)
性格はどうであれ
イケメン男性と密着して
耳に息まで吹きかけられたら
もう
もうもうもうもう……モー……って牛じゃないし。
倒れそう。
「離れて下さい」
「えーっ嫌だ。寒いから丁度いい」
丁度よくない!
「自然でいいでしょ。平日の昼間からホテルに入るバカップルみたいでさ」
そう言ってまた密着。
緊張して固まる私を見て遊んでません?
いや
でもそうか
この場所に合うね私達。
「いちゃつきながら見張ろうね。そのうちターゲットが現れるからさ」
ギュッと後ろから回された両手に力が入り、ヘナヘナと崩れそう。
「おとり捜査みたいなヤツですね」
ドキドキしながらそう言うと「正解」って髪にキスされた。
「まだターゲット来てないんだから。やめて下さい」
心臓がもたんわ。
私が怒ると「えーっ楽しいのに」ってブツクサ言い、仕方なしに両手を緩ませた。
今がチャンスと畑山さんの腕から飛び出す私。