ハルとオオカミ


またモヤモヤした気持ちが心の中で渦を巻いた。それを洗い流したい一心で、頭から勢いよくシャワーを浴びてみたりしたけど、そんなに変わらなかった。







五十嵐くんが用意してくれた服は、男物のTシャツだった。

ま、まさかこれは五十嵐くんのでは……。推しが身につけているものに袖を通せるなんて鼻血出そう。


震える手と興奮する心と出そうになる鼻血を抑えながら、有難く服を着た。脱衣所を出て、廊下を見回す。


「五十嵐くーん……?」


どこにいるんだろうと思って呼びかけると、リビングらしき部屋から「はる」と呼ぶ声が聞こえた。


リビングのドアを開けて、中に入る。「シャワーありがとう」と言いながら、視界に入ってきた光景に思わず目を見開いた。



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