ハルとオオカミ
「よかっ……よかったねえ……こんな光景が見られるなんて……本当によかった……」
「えー……泣いてるし。お母さんかよ」
私はぼろぼろ泣きながらお米を食べた。ああ、ご飯が美味しい。推しのおかげで今日もご飯が美味しい。いつかの母と同じように、アキちゃんが引いた目で私を見つめていた。
しばらく五十嵐くんたちの様子をちらちら見ながらご飯を食べていると、ドアの近くにいたクラスメイトから声をかけられた。
「はる~。呼ばれてるよ」
呼ばれてる?
「は、はーい」
誰だろう。先生かな?
アキちゃんに「いってら」と言われて席を立つと、ドアの方へ向かう。
そして見えた意外な顔に私は驚いた。
先生じゃない……けど、友達ってわけでもない。
この学校の風紀委員長をしている三年生、だった。
「風紀委員長……。どうされたんですか」
彼は眼鏡の奥の冷たい眼差しでこちらを見ている。いや、この人はこれがデフォルトではあるけど。