久遠の絆
小さな声に、カイルは大きく頷いて見せた。


金色の髪がさらさらと蘭の上に降りかかる。


「……わたし、どうなったの?」


記憶がある時を境に途切れている。


口の中が光の塊でいっぱいになり、苦しくてもがいている内に気を失ったからだ。


「起き上がれるかい?」


びくっと肩を震わせた。


まさか、あの恐ろしい女もここにいる?


そう思い声のした方を見ると、

「なんだい、そんなに怯えなくてもいいじゃないか。失礼な子だねえ」

と、気分を害したように口を尖らせている、あの女性が立っていた。


「あっ」


小さく叫んで逃げようとした。


「危ないっ!」


長椅子から落ちそうになり、咄嗟にカイルに支えられた。


「逃げようだなんて、ますます失礼な子だ。私はあんたを助けてやったって言うのにさ」


「え?」


どういうことだ?


カイルも眉間に皺を寄せている。


どう考えても、酷いのはこの目の前の女性であると思うのだが……。


「それを、これから説明してやろうっていうんだ。さっさと起きな」


そう言って、ナイルターシャはさっさとお茶の用意をしてあるテーブルへと歩いて行く。


「どうしますか?」


気遣わしげにするカイルに支えられながら、蘭は彼を安心させるように微笑んだ。


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