久遠の絆
前線の壊滅的な被害は、すぐに首都にも知らされた。


さしものカイルも、一度ならず二度もの新兵器での攻撃に感情を露わにした。


ハウレン少将が思わず宥めたほどだった。


その怒りは自軍に向けられたものではない。


犠牲を厭わない同盟軍に向けられたものだった。


最初の使用でのデータ解析が終わる直前での、再度の攻撃。


しかしここで悲しんでいられないのが、元帥の辛いところだ。


さらなる指示を現場に出さなくてはならない。


「グレン中将に繋いでくれ」


何とか怒りを治め、カイルはハウレン少将に言った。


しばらくしてオペレーターが告げた。


「繋がりました。スクリーンに映像を出します」


久方ぶりの熊の姿。


少し面やつれしているようだった。


「すまねえな、カイルっち」


開口一番、そう言った。


「あなたが謝ることは何もありませんよ」


「だがよう。お前さんに託されて前線に来たって言うのにさ」


「中将。起きてしまったことを悔いても仕方ありません。
今考えるべきは、これからのことです」


「……まあ、そうだけどね」


それでも熊は不満そうだった。


「現在はどのような?」


「ああ、なんとか食い止めてるよ。首都にだけは近付けられねえからな」


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