久遠の絆
前線の戦況は、なお苛烈を極めていた。


旗艦に搭乗したカイルは、すぐに管制室に赴きグレン中将と対面した。


オペレーターたちは突然の元帥の登場に驚きを隠せないでいたが、中将はふふんを鼻を
鳴らしただけで、表情を崩すことはなかった。


「相当なものですね、新兵器というのは」


道すがら見てきた惨状を思い返しながらカイルが言うと、

「あんなもの、宣告もなしに使うなんざあ、戦争犯罪だぜ」

と、熊のように吼えた。


「戦争犯罪……」


「だが、そんな話を聞くような相手じゃないだろ?」


「話して分かる相手なら、こんな事態には至っていなかったでしょう」


「そりゃそうだ」


「ところで、ニアスの姿が見えませんが?」


カイルの姿を見て、いの一番に近付いて来るはずの近習の姿がなかった。


「それが、な」


言い難そうにする熊。


だがカイルの視線に耐え切れず、


「あの時からいねえんだよ。探す余裕もねえし。まったくどこに行っちまったんだか」

と告白した。


形の良い眉を寄せ、考え込んだカイルを、熊は心配そうに見返している。


「でもよう、カイルっち。なんで急に前線に来る気になったんだ?」


さすがの熊も、一応疑問には思っていたらしい。


「それは……」


珍しく答えに詰まる元帥を、熊は不思議そうに見ている。


いつも明瞭な答えを出す彼であるのに、なぜこれほど言いよどむのか。


「カイルっち?」


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