久遠の絆




『繋がったよ!』


『え?!』


『繋がったよ、元帥どの』


『シェイルナータさま?』


『そうだよ。私しかいないじゃないか。その子が来てくれたおかげで繋がったんだ』


『繋がったって、何がです?』


『あの子だよ。蘭だよ』


『蘭さま?!』


『そうそう。そのジャングルの子が連れて行かれたって言った女の子が、蘭なんだよ』


『なっ?!』


『そして、ナイルターシャ……』


『……本当、ですか?』


『嘘言ってどうすんだよ。まあ、嘘ばっかりの私だから仕方ないけどね。
でもその子にくっついてる気配は、蘭とナイルターシャのもので間違いない』


『……』


『どうする?』


『シドが、蘭さまとナイルターシャさまを……?』


『そのようだね。さあ、どうする?』


促すように尋ねるシェイルナータの思念に、


『奪い返すまでだっ!』


と言い放ったカイル。


そして……。





もたれかかっていた背中を少し戻したカイルは、

「中将。同盟に停戦を申し込む」

と静かに告げたのだった。








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