久遠の絆
低い垣根を越えて庭に入ると、そこはまるで田園にある小屋のような家だった。
(シェイルナータさまの家みたい)
庭には色とりどりの花が咲き乱れ、長い年月風雨に晒されてきたようなベンチやテーブルが置かれていた。
狭いが、いるだけで落ち着くような、そんな庭だった。
「素敵……」
思わず声に出して呟いた蘭は、当初の目的を忘れてしまいそうなほどうっとりとその庭を見渡している。
足元に咲く、名も知らぬ花を一輪手折ろうとした時だった。
「ようこそ。私の庭へ」
突然掛けられた声に、びくりとして手を引っ込めた。
「あ、あのすいません。あんまり素敵だったから」
上ずった声で弁解しようと顔を上げた途端、蘭は驚きで目を見開いてしまった。
「う……そ…………」
うっとり気分も一瞬でどこかへ飛んでいた。
「どうして、あなたが?」
すると彼はくすりと笑った。
彼が笑うことさえ信じられない気持ちだった。
「どうしてって、ここは私の隠れ家だから」
蘭が来ることを予測していたのか、彼には動揺など見られない。
いつもよりもずっと柔和な雰囲気だったけれど、彼は確かに彼だった。
「シド・フォーン?」
(シェイルナータさまの家みたい)
庭には色とりどりの花が咲き乱れ、長い年月風雨に晒されてきたようなベンチやテーブルが置かれていた。
狭いが、いるだけで落ち着くような、そんな庭だった。
「素敵……」
思わず声に出して呟いた蘭は、当初の目的を忘れてしまいそうなほどうっとりとその庭を見渡している。
足元に咲く、名も知らぬ花を一輪手折ろうとした時だった。
「ようこそ。私の庭へ」
突然掛けられた声に、びくりとして手を引っ込めた。
「あ、あのすいません。あんまり素敵だったから」
上ずった声で弁解しようと顔を上げた途端、蘭は驚きで目を見開いてしまった。
「う……そ…………」
うっとり気分も一瞬でどこかへ飛んでいた。
「どうして、あなたが?」
すると彼はくすりと笑った。
彼が笑うことさえ信じられない気持ちだった。
「どうしてって、ここは私の隠れ家だから」
蘭が来ることを予測していたのか、彼には動揺など見られない。
いつもよりもずっと柔和な雰囲気だったけれど、彼は確かに彼だった。
「シド・フォーン?」