久遠の絆
◇◇◇



やはりなんとなく変な空気のまま時間が過ぎていく。


それはシドが妙に優しいせいだ。


深い事情を知らない自分相手だから、総帥としてでなく本来のシドの顔が表に出ているのだろうか、と思う。


けれど、それにしても優しすぎないか。


蘭の戸惑いは続いていた。


「こちらに来て、2か月くらい経つか?」


「え、まだ、そこまではいってないと思うけど」


「そうか。戦況がどうか気になるか?」


「それはもちろん。でも誰も教えてくれないし、訊いても教えてくれないだろうけど……」


「教えてやろうか?」


「いいの?」


「なぜ?」


「だって、ヘラルドさんに知られたら……」


「ヘラルドに知られて不都合があるのか?」


「だって、あの人、怒ったらすっごい怖いよ」


するとシドは苦笑した。


「そしたら俺が守ってやるよ」


事も無げに発せられた科白に、蘭の思考が止まってしまった。


『俺が守ってやるよ』?


「シ、シド」


「ん?」


「なんか今、すごいこと聞いたような気がするんだけど」


「そうか?」


そうか?って、ガルーダの総帥に守るなんて言われたら、しかもこんな美形に。


(わたしの心臓、持つのかな?)と不安になる蘭だった。


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