久遠の絆
「加勢する必要もないか」

若い2人の戦いぶりに、何故かランデルは高みの見物を決め込んでいる。


かなりの身体能力、戦闘力を持っていると思われる兄弟だけに、わざわざ自分が手を出す必要もないと言ったところだろう。


しかし当然彼の主は苦言を呈した。


「おい、お前が戦わないでどうする?」


「いやいや、お2人で十分。存分にやりなされ!」


「ランデル!」


非難の声を上げた側から兵士の拳が飛んできて、カイゼライトはまた戦闘に集中せざるを得なくなった。


シドは淡々と相手を倒していっている。


彼の足元には、気を失った兵の山が出来ていた。


顔面にワンツー、返す拳で鼻面を打ち、蹴りを入れ、そのまま反対側の兵に逆の足で蹴りをくらわす。


流れるような所作はどこかの武術の型のようにも見え、美しい。


明らかに違う戦闘力の差に、徐々に兵たちは及び腰になっていく。


ついには遠巻きに、距離を置くようになった。


「では、そろそろ」


すると、いきなりランデルが前に進み出た。


「遅い」


「何をやるつもりだ?」


「シドさま、最上階への道は?」


「このまま直進」


同盟の戦艦の製図は、すべて頭の中のあった。


「では、そのように。参りますぞ」


ランデルは懐に手を入れながら、「さん、にー」と数え始めた。


兵士も何が起こるのかと身構えている。


シドとカイゼライトは利き足を踏み込んだ。


「ゼロッ!」の声と共に通路を走り出した。


ドンッと後ろで何かが爆発したような音がした。


ちらりと振り返る。


もうもうと煙が立ち込める中から、ランデルが走り出て来た。


追いつく彼に、「煙幕か」と問うシド。

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