久遠の絆
イーファンとの話を終えたシドが振り向いた。


蘭と眼が合う。


彼には、もう彼女しか見えていなかった。


マトは何かを察し、蘭の前に立ち塞がったが、シドは構わず蘭に歩み寄り、彼女の手を取った。


「借りるぞ」


マトが何か言いかけたが有無を言わさず、そのまま蘭を連れて部屋を出て行ってしまった。


蘭が素直に付いて行ってしまったことに、マトは少なからずショックを受けていた。


シドに攫われ、辛い思いをした筈なのに、何故蘭はシドの手を振りほどかなかったのか。


理解出来なかった。


もし蘭が脅されていたり、騙されていたりするなら、ますます彼女を守らなければならない。


そんな決意も新たにしたマトだった。










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