久遠の絆
「あなたには、瑠璃の巫女についての真実を、お話ししなくてはなりません。マトやマヤにも聞いて貰いたいのですが……」


「真実?あんたはそれを知っていると?」


「はい、そうです」


イーファンの話す“真実“が、『実際に起こったこと』ならば問題はない。


しかし、イーファンの都合の良いように曲げられた話かも知れなかった。


だが、それを言い始めたら切りがない。


「その話が真実か、信じる信じないは俺が決める。一応聞いてはやるがな」


そんなシドの思いを、イーファンはすべて把握しているらしい。


「ふふ。いいですよ。聞いて頂ければ、私はそれで十分です」


そしてイーファンは、蘭やシャルティに話したのと同じことを、もう一度話し始めたのだった。







イーファンがゆっくりと話し終えた時、シドは改めて蘭の背負う運命の重さに思いを馳せていた。


それと同時に、イーファンの話が本当であると悟っていた。


何かが訴えかけるのだ。


それこそが、“真実”であると。


「昔からの因縁て奴か」


シドは嘲るように笑った。


「それで、ヘラルドを倒すべき相手と?」


「いずれは。しかし今の我々にその力はありません」


「いいさ。その力。俺が貸してやる」


「ありがとうございます」


花が綻ぶように笑ったイーファンに、人知れずドキリとしたシャルティだった。








こうして、シド・フォーンはアトゥマに与し、この小さな組織は新たな力を得ることとなった。


しかし、すでにヘラルドはそれを知っている。


知っていて、傍観している。


それは、シドがいくら力を取り戻しても、足掻きにしかならないということなのだろうか。


シドを得たアトゥマの前途は、決して安くはないのだ。









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