久遠の絆
ガタッ
マトは大きな音を立てて椅子から立ち上がると、無言で食堂を出て行ってしまった。
「ちょ、ちょっと、マト」
マヤは呆気に取られた。
まさか、マトが出て行ってしまうとは思わなかったのだ。
以前の兄なら。
シドと蘭の親密さを想像して、その時点で自分にブレーキをかけた筈だった。
それなのに……。
(まさか、マト、本気で?)
恐らくは、マト本人もまだ気付いてないに違いない。
「嫌だよ、マト……」
自分が兄の一番でなくなる。
そんな日が来るのは分かっていた。
けれど、それは、もっとずっと先のことだと思っていた。
その日の訪れが、そう遠くないことを感じて、マヤは小さく身震いしたのだった。