久遠の絆
マトは洞窟を飛び出した。


視線の先には、抱き合う男女。


この時マトは、生まれて初めて、頭の中で何かがプツリと切れるのを感じた。


怒りで、訳が分からなくなる。


脱兎の勢いで駆け寄ると、そのまま拳を繰り出した。



「離れろよ!」



しかし、それがシドの顔面を捕らえることはなく。


いまだ蘭の背に腕を回したまま、シドはマトを見て不敵に笑っていた。



「坊や。何か用か?」



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