久遠の絆
神殿の中は明かりが乏しく薄暗かった。


光源と言えば、窓から差し込む光だけだ。


「かつては」


イーファンが懐かしそうに言った。


「何本もの蝋燭が立てられ、明々としていたものです」


多くの神官、巫女姫の候補達がひしめいていたという。


それでも、イーファンには辛い思い出のほうが多いのか。


彼は直ぐに昔語りをやめてしまった。


「さあ、奥へ」


錆びた音のする、大きな扉を押し開けて、神殿の奥へと進んだ。


「ここから先は、神官も行けなかった場所。瑠璃の巫女と守護者だけの空間です」



コツ-ンコツ-ン



廊下には靴の音だけが響く。


奥に進むにつれ、蘭は胸がどんどん苦しくなるのを感じていた。


緊張なのか。不安なのか。


息苦しいほどに、胸が苦しい。


それはある場所に着いた時ピークに達した。


廊下の一番突き当たりにある、広い部屋。


祭壇のような場所の向こうには、さらに扉がある。


見慣れた神社のようだと、蘭は思った。





イーファンが蘭をじっと見ながら告げた。


「ここが、瑠璃の巫女がその力を使う場所です」




ドクン




心臓が波打った。


そして、視界が暗転した。







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