君の世界から恋が消えた日
「嘘つき」

誰かが後ろで囁いた
耳をくすぐるような少女の透明な声色は
どこか懐かしく切なく響く

「あなたが傷つけたくないのは自分でしょ
そうやって思い悩めば自分は善人だと思い込めるもんね..
私は充分悩んだって、その子のために考えた最上の策だって、てね
でも結局あなたは友人の悩みを知りながら
逃げようとしているんでしょう?

他人の問題に踏み込んで
煙たがれるのが怖いんじゃない」
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