100回の好きの行方
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「わぁ~お弁当美味しそう!」

 あかねは、麻嘉のお弁当を見ながら感激している。

「頑張りました!」

 彩りよく盛り付けられたお弁当の中には、飾り切りされた人参や、魚、肉、野菜とバランスよいおかずがひきつめられている。

 あかねと麻嘉はデスクで並びながら、ご飯を食べる。

「これ、ちょうだいよ~!」

「どうぞ。」

 おかずを指差し、ニコニコ笑うあかねに、お弁当箱を差し出し、それを食べたあかねは、"うぅ~美味しっ"と、横で唸っている。

「篤斗の胃袋を掴もうかと!」

「麻嘉ちゃんが好きなのは何となく気が付いてたけど!何で、金曜日、私いなかったんだろっ!!居たかった~!」

「で、胃袋、掴めそうですか、私?」

「うん、私なら掴まれちゃう!!」

 二人で楽しいランチタイムを送りながらも気になるのは、篤斗のことだ。

 篤斗は、さっき営業先から帰ってきて、麻嘉が御手洗いにいってる時に、お弁当の袋を持って、フロアを出たとあかねから聞いていて、どんな反応して食べているのか考えると、そわそわしてしまうのだ。

 その様子をあかねは、クスクス笑いながら見ていた。

 麻嘉のそんな乙女な姿、始めたみたと思いながら。
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