100回の好きの行方
ー彼女の策略と同僚の本音ーの行方
 セミがせわしくなく7月。

 まだ夏に入ったばかりだと言うのに陽射しが強く、これがまた二ヶ月も続くと思うと、げんなりする時期に差し掛かる。

 オフィスの中は、クールビズで衣服で暑さを凌ぐため、女性の服は自然とノースリーブやサンダルと、冬に比べると比較的露出も多く見られる。

 麻嘉は相変わらずのチノパンにカットソーと露出少なめの格好で、変わったのはカットソーの素材が夏らしくなり、チノパンの丈が7分丈になったことくらいだ。

 あかねも千嘉もノースリーブのワンピースやカットソーに、カーディガンをひっかけるなどの、チラチラ見える程度の露出だが、菜月は違った。

 ノースリーブの胸元が開いたものや、時には短パンやミニスカなど、今から合コンに行くような格好で出勤してくることが多かった。

 デザイナーの麻嘉たちは、制服がないため私服のまま作業するのだが、男性陣は困り果てていた。

 尚志曰く、控えめな露出はOKだが、あからさまな露出には、エロスも感じず下品なだけ、だそうだ。

「おっはようございます!」

 出勤時間ギリギリに来た菜月は、今日もノースリーブの赤と紺のギンガムチェックのミニスカワンピースであらわれた。
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