100回の好きの行方
 その後、事実上付き合っていなかった二人だが、菜月と篤斗は別れた。

*******

「篤斗?聞いてる?」

 篤斗は千華に話しかけられ、ハッとする。

「わりっ。ぼーとしてた。」

 今、3人で飲んでることをすっかり忘れて"あの鋏"のことばかりを考えてしまっていたことを反省した。

「だから、あの女よ!」

「アイツとは別れた。てか、元々付き合ってない。」

 そう呟くと、驚く尚志と般若のように怒る千華の視線を感じる。

「ちょっと待って!付き合ってないのにエッチしたの!?それってあの女と麻嘉は同じ扱いなわけ?」

「声が大きいよ、アイツは抱いてないから。」

「はぁ~!!?」

 よく事情がわからない千華は、"説明しなさいよ!!"
と詰めよってきてため、菜月と付き合うふりをすることになった経緯を説明した。

「最低!最低!」

 説明し終わると千華にこれでもかってほど罵倒される。

「で、鋏はあの女の持ち物だったんだろ?」

 尚志に聞かれ篤斗は頷くが、あまり納得いっていない様子にふたりともため息をつく。

 篤斗は、ただ茫然と再度外に目をやる。

 ロビーで花を生けてる様子を見たときから、探していた彼女が菜月だとわかっていたのに、鋏を自分のものと言われた時、周りが色をなくした。

 
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