サンタクロースは君だった
「同じデザイン?」
「そう。さすがに僕がピンクってのはなしかなって思って、ブラックにしたけど。」
「あり…がとう…。すごく、可愛い。」

 シンプルだけど可愛らしさも十分にある、年相応のアクセサリー。ピアスはデザインが好きなものが多く、持っているには持っているが、朝あれこれと悩む時間もなくて同じもののローテーションになっている。

「大事にするね。…本当にありがとう。」

 レオから貰ったということだけでも十分嬉しいのに、レオとお揃いだと思うともっと嬉しくなる。

「ねぇ、せっかくだからつけてあげるよ。ひかりちゃんとお揃いって写真、撮りたいし。」
「じ、自分でつけれるよ!えっと鏡があれば…。」
「だーめ!僕がつけてあげたいの。はい、ひかりちゃんは僕に耳を貸して!」
「う…。」

 そっと近付く距離に、気持ちが零れて伝わってしまうのではないかという不安に襲われる。ただでさえ、朝抱きしめられたことを思い出してしまうというのに。
 レオの手が優しくひかりの耳に触れた。身体中の熱が耳に集中する。

「できた!うん!可愛い。すごく似合ってる!」
「…レオくんのセンスがいいんだね。ありがとう。」
 
 当たり障りのないことを言うだけで精一杯だ。

「はい、じゃあ写真撮るよ!」
「えっ…うわ…!」

 ぎゅっと肩を抱き寄せられる。スマートフォンを構えたレオに対して、ひかりの目は泳ぐ。

「いっくよー!はいチーズ。」

 カシャッというシャッター音。レオに撮った写真を見せられて、その目の泳ぎっぷりに余計に恥ずかしくなった。

「…うう…なんでレオくんこんなちゃんと写れるの…。」
「だって嬉しいんだもん。お揃いのもの、持ちたかったんだ。」

 そう言ってレオが触れた耳が、またしても熱を帯びた。
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