ある雪の降る日私は運命の恋をする
コンコンッ

「朱鳥ー、入るよー」

「はーい」

ガラッ

「朱鳥、連れてきたよ。俺の友達で理学療法士の凉川悠陽(すずかわ はるひ)。これから、朱鳥のリハビリの補助をしてくれるからね。」

「朱鳥ちゃん、こんにちは。僕は凉川悠陽です。呼び方は、凉川さんとか悠陽さんでいいからね。よろしくね。」

楓摩は怖くない人って言ってた……

きっと、怖くない人。

そう、怖くない。

怖くない。

大丈夫。

「朱鳥、大丈夫?無理に我慢しなくても大丈夫だよ。誰だって怖いものくらいあるもん。でも、俺がいるから大丈夫だよ。安心して。」

コクっ

黙って頷く。

「朱鳥ちゃん、すこーしだけ近くに行ってもいい?」

楓摩に目線を送ると

「大丈夫だよ。」

と、小声で言って、手を握ってくれた。

コクっ

また、無言で頷くと凉川さんは近ずいてきた。

心拍数が上がる。

大丈夫。大丈夫。

「朱鳥ちゃん、少しお話ししてもいーい?」

コクっ

「ありがとう。じゃあ、まずどんな感じか見てもいいかな?楓摩、補助お願いできる?」

「うん。朱鳥、ちょっと昨日したみたいに、ゆっくりでいいから立ってみよっか。」

楓摩の手を借り、恐る恐るベッドから立ち上がる。

やっぱり、足に力が入らなくてフラフラして倒れそうになってしまう。

「ありがとう。もう、戻っていいよ。うーん、かなり筋力が落ちてきてるみたいだね。じゃあ、簡単なストレッチから初めてみよっか。」

その後は、凉川さんに教えて貰いながら足を曲げたり伸ばしたりしたりして、少しずつトレーニングをしていった。

やっぱり、凉川さんに触れられると少しだけビクッてしてしまったけど、少しだけ仲良くなれた。
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