ある雪の降る日私は運命の恋をする

楓摩side4

「着いたよ~」

さっき、朱鳥と病院から家へ帰ってきたばっかりだが、家に居るだけじゃ暇だと思うからショッピングモールへ来た。

ここのショッピングモールには、色んな店が入っていて、一日中居ても飽きないほどだ。

「早く行こっ!!」

朱鳥もワクワクとした様子でこっちまで楽しくなってくる。

朱鳥と、手を繋ぎながら、なんてことない日常会話を交わすだけでも、こんなに幸せな気持ちになれる。

「朱鳥、次どこいく~?」

なんて言って、色んな店を見て周り、お互いに好きなものを買っていく。

朱鳥は、少し遠慮がちだが、俺が買ってあげると、とっても嬉しそうな顔をするから、もっと買ってあげたくなる。

俺は、親バカならぬ朱鳥バカだな(笑)

病院では、あまり食べられなかったスイーツも、2人でお互いに1口ずつ交換したりして、とても楽しかった。

「楓摩、ありがとっ!」

そんな、些細な事の度に、朱鳥は満面の笑みでお礼を言ってくれる。

「朱鳥、楽しいか?」

「うんっ!!とーっても、幸せだよ!」

その言葉通り、朱鳥は、とても幸せそうな顔で笑った。

病院では、なかなか見ることができなかった朱鳥の笑顔。

病気が治って、退院できたら、これが日常になるんだよね……

そう思うと、さらに頑張ろうという気になった。
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