ある雪の降る日私は運命の恋をする
寝た振りを続けていると、そのままウトウトしてきて、私は浅い眠りについてしまった。










目覚めたのは、また、おじさんの怒鳴り声だった。

ハッと目を開けると、そこには楓摩の姿。

「あれ?朱鳥どうした?そんなに焦って起きて。怖い夢見た?」

私は、黙って楓摩の手をギュッと握った。

「震えてるじゃん……。怖かったね。もう大丈夫だから。」

私は、安心したのか、少し涙が出た。

声だけの夢で、こんなになっちゃうなんて……

私、弱すぎる……

「朱鳥、大丈夫?」

そう言われ、私は静かに頷いた。

すると、楓摩はさっきよりも心配そうな顔になった。

私、なにかまずいこと言ったかな……

少し顔色を伺っていると楓摩は、両手で私の手を握ってくれた。

「朱鳥、ごめん。俺、朱鳥に無理させちゃってるしょ……。ごめんね…。抱きしめてはあげられないけど、泣きたかったら泣きな?涙だけじゃなくて、思ってること全部言って?俺、全部聞いてあげるから。手も、ずっと握ってるし、ずっと傍にいるから。……辛いこと、全部打ち明けて?」

「楓摩……」

そう言った瞬間、私の両目から大粒の涙が落ちた。

ポロポロと何粒も何粒も落ちて、止まらない。

「…グスッ……ヒック………ふ…うま……私…………自分…やだ……嫌い…………弱い自分が嫌い!!…こんな……生活から逃げたくなる…グスッ……自分からも逃げたくなる…………ヒック…ダメだって…わかってるけど……グスッ……………たまに…死んじゃいたい……消えたい…って思っちゃう……。だって…辛いことしかないんだもん!!……治療は、気持ち悪いし、嫌な夢ばっかりみるし…グスッ……学校行っても、なんにも楽しくないし!!…もう…………グスッ…やだよお………………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

私は、大声で泣きじゃくった。

何分も何十分も泣き続けた。

楓摩は、その間ずっと手を握っていてくれた。

私は、楓摩に抱きつきたかった。

…だけど、この前の楓摩の困った顔を思い出してしまい、諦めた。

30分ほどして、私は泣き疲れて、私はまたウトウトとしてしまった。

そして、私は無意識のうちに、楓摩の手をキュッと引っ張っていた。

「ん?朱鳥、どうした?」

「……………………ん……」

ウトウトしてるせいか、ボーッとして、自分が何を言っているのかよくわからない。

「…抱っこ…………ギュッ………………して……」

「……それは…」

「ダメ?…お願い……。今日だけでいいから…」

「…朱鳥……」

楓摩は、困った顔をして、しばらくして、私に「少し待ってて」と言って病室を出た。

私は、ジッと楓摩を待っていた。
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