ある雪の降る日私は運命の恋をする
朝日が眩しくて目が覚めた。

いつの間にか部屋を移動したようだ。

なんだか、少し体がだるい。

少しボーッとしていると、シャッとカーテンが開いた。

「お、もう起きてたの?早いね~おはよー!」

「お、おはようございます…」

「ん?大丈夫?顔色悪いね、熱計ろっか。」

「はい。」

ピピピピピッ♪ピピピピピッ♪

「あー、これは高いね……」

「え?何度ですか?」

「38.9℃だよ。熱が高いから、熱下げるための点滴しよっか」

朝のだるさはこれだったのか……

「点滴……」

「もしかして、苦手かな?(笑)」

楓摩先生って本当になんでもわかっちゃうんだな……

「はい……ちょっと、トラウマが…」

「そっか、でも大丈夫だよ!こーみえても、俺点滴上手いから!!」

先生なら、少し信頼してみようかな……

「大丈夫そう?」

「はい……頑張ります!」

「うん、偉いね!!じゃあ、ちょっと頑張ろっか!」

そう言うと、先生はナースコールで点滴を持ってくるように指示をした。

「あとさ!昨日から思ってたけど、俺敬語じゃなくていいからね!」

「は、はい……じゃなくて…うん?」

「なんで疑問形なの(笑)」

「つい(照)」

しばらくすると、看護師さんが点滴をもってきた。

「よし、じゃあちょっとだけ我慢してね~」

そういうと、駆血帯を巻き、消毒を始めた。

「じゃあ、点滴刺すよー。怖かったら、あっち向いてて」

もちろん怖かったので、ギュッと目をつぶる。

「じゃあ、少しチクッとするよ~」

腕に鋭い痛みが走る。

「よし、よく頑張ったね!これで、熱も下がってくると思うからね!」

そういって頭をクシャっと撫でてくれる。

「じゃあ、ちょっと診察してもいい?」

「うん」

「ありがと!じゃあ、まず胸の音聞くね。服、捲って」

服を捲ると、少し温めておいてくれた聴診器で診察を始めた。

いつもとは違う真剣な顔に少しドキッとする。
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