ある雪の降る日私は運命の恋をする

朱鳥side3

重たいまぶたをゆっくり開ける。

そこには、心配そうに私の見てる楓摩の顔があった。

私が楓摩の方を見ると、楓摩は嬉しそうに笑った。

「朱鳥、おはよう!!」

「おはよ……」

「体、大丈夫?辛くない?」

そう言われて、少しだけ体が怠いことに気付いた。

「ちょっと怠い……」

「そっか。多分、体と拒絶反応起こしてるのかな…。少ししたら良くなると思うよ。」

楓摩は、ニコニコしながらそう言ってくれた。

そういえば、今、何時だろう…

なんか、ずっと寝てた気がする。

「…楓摩、今、いつ?」

そう聞くと

「今日は、骨髄移植の日。朱鳥、昨日から眠ったまんまだったんだからね?」

骨髄移植?

もう?

ゆっくり、点滴の方を見ると、昨日までとは違い、真っ赤な血のような物が入ったパックに変わっていた。

「あと、2時間くらいで終わるよ。そしたら、あとはもう、ほぼ辛いことないから。本当にあと少し。」

楓摩は、そう言って私の手を握ってくれる。

私は、少しだけ楓摩の手を握り返した。

それから小さく

「頑張る…」

そう言った。
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