ある雪の降る日私は運命の恋をする
「朱鳥、おはよ。朝ごはん出来たから起きて」

ゆっくり目を開ける。

そこには、もうスーツに着替えた楓摩が居た。

「…ん……おはよ……」

眠い目を擦って体を起こす。

すると、楓摩が私の顔をじっと見つめてきた。

「……朱鳥、少し顔赤くない?」

「え?」

私が返事をするよりも少し早く、楓摩は私を抱き上げてリビングへ向かった。

ソファに座らされて、慣れた手つきで体温計を挟まれる。

ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

スッと体温計を取られ、楓摩はそれを見る。

「んー、熱出ちゃったね。昨日、はしゃぎすぎたかな?そこまで高くはないけど、念のため病院行く?」

私は、首を横に振る。

「じゃあ、家で安静にしてる?もちろん、外出は禁止。立ち歩くのも、必要最低限にして?家事はしちゃダメだよ。いい?」

「…わかった。」

「うん。じゃあ、今お粥作るから、そこで寝て待ってて。」

そう言って楓摩はニコッと笑って私の頭を撫でてくれた。
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