ある雪の降る日私は運命の恋をする

朱鳥side5

「……すか、朱鳥!起きて!朝ごはんできたよー?」

楓摩に起こされて、重いまぶたを開く。

「ん?楓摩……おはよ…ねむいんだけど……」

「眠くても、学校遅刻するよー?入院してた時は、早起きだったじゃん(笑)」

「だって……暇すぎて早く寝たら、目が覚めちゃうんだもん……」

とにかく、今は眠すぎる……

「ほら!ご飯食べたら目覚めるから!行くよ!」

そういって、楓摩は私のことをヒョイっと持ち上げリビングに連れていった。

「よし、ご飯食べるよー!いただきまーす!」

まだ、寝ていたい気持ちもあったが、学校に行くので渋々ご飯を食べる。

「いただきます……てか、なんで楓摩そんなに元気なの?」

「だって、俺いつも、このくらいには起きてるよ?」

今は、朝6:00。

早すぎる……

「すご……んん~まだ、寝てたいよ~!」

「だよな(笑)でも、学校行くんだろ?だったら頑張れー」

「うん。頑張る。」

「そーだ、今日体調悪くなったら、すぐに保健室行くんだよ?保健の先生、俺の知り合いだからさ。安心して、行きなよ?」

「はーい」

「あとは、体育は禁止ね。激しい運動は、体に負担が大きいからさ。」

体育好きだったのにな~

でも、また倒れちゃったら本末転倒だし。

しょうがないか……

「……はーい。」

渋々、頷く。

「うん。よろしい。じゃあ、ご飯食べ終わったら制服に着替えてねー。今日は、一緒に家出るよー」

「りょーかいでーす。ねむいでーす。」

「まだ言ってんのか(笑)」

そんなこんなで、いつの間にかご飯も大分減っていた。

でも、もうお腹いっぱい……

「楓摩……お腹いっぱいなんだけど……」

「えー?食欲ない?いっつも、このくらい食べれるしょ?」

でも……お腹がいっぱいなんだもん……

「まぁ、無理に食べて吐いても困るから、とりあえず、今日はいいよ。でも、一応熱計っておいて。」

「んー。ごちそうさまでした。」

熱があったら、また病院に戻んないといけないのかな……

嫌だな……

なんて、考えていると手が進まない。

「朱鳥ー、計れたー?って、まだ計ってなかったの?ほら、計るよー」

そういって、楓摩は、私を膝の上に乗せて体温計を入れてくる。

「大丈夫だよー、痛くないでしょ?大丈夫だから。」

楓摩は、私が不安にならないように、してくれている。

けど、私の不安は、そっちじゃないんだな……(苦笑)

ピピピピピッ♪ピピピピピッ♪

そんな事を考えていると、体温計が鳴った。

「見せてー」

私が見る前に、ヒョイっと体温計を取ってしまう不安。

「何度ー?」

「んーとね、36.8だよ。まぁ、平熱っちゃ平熱だね。でも、これ、熱上がりそうだなー。」

ということは……

「学校、行っちゃダメなの?」

あんなに楽しみにしてたのに……

一気に気分が沈む。

「学校か……うーん。じゃあ、絶対に無理はしない事と具合が悪くなったらすぐに保健室に行って、俺に連絡することが約束出来るなら行ってもいいよ。」

「ほんとっ!?約束するっ!絶対守るから!」

「おう、じゃ楽しんでおいで。ほら、早くしないと遅刻するよ?制服着替えておいでー」

「はーい!」

私は、ワクワクとした気持ちで、久しぶりの制服に着替えた。
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