それはきっと、君に恋をする奇跡。



入院したらすぐに手術して治るものだと思っていたのに、いつまで待っても遥輝から連絡は来なかった。


なんとなく病院にも行きづらいし……。


不安が頭をよぎり、自分で調べようと図書館へ行ったのだか。



「……え、ガン…………?」



医学書を手に、俺は愕然とする。



骨肉腫……それは、骨のガンだった。




ウソだろ……。


数年前にじいちゃんを肺ガンでなくしているから、ガンという病名にはすごく敏感だ。

いや、ガンと聞けば誰だって怖いだろう……?


遥輝はそれを知ってたんだよな……?

なのにあんなに明るく俺に病名を告げたのか……?



骨肉腫についてなんの知識もない俺は、そのまま医学書を読み進める。


若い男性の発病が多いこと。

膝の関節や肩の関節の近くに発症することが多く、昔に比べればそれほど怖い病ではなくなったが、四肢切断の可能性があること。

肺に転移すると生存率は下がること……。
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