会いたい
映画を見終わり、二人は寝室へ。

ベッドに入ると二人の間に微妙な隙間。

MAKIDAIは、

「もっと、こっち来ていいよ」

催促するようにそういう。

「寝返りとか、大丈夫かな?」

楓は、緊張と心配で困った顔をする。

「くっついて寝たいな」

MAKIDAIは、あまえるようにそう言って楓の枕を引っ張る。

「じゃあ、遠慮なく…」

「遠慮なくって…」

「なんか変だね、ふふっ」

楓がくっついて来ると、MAKIDAIは満足そうに笑う。

そして、MAKIDAIは肘をついて楓の横顔を見つめている。

「まだ寝ないの?」

楓が眠そうな顔でそういうと、

「ん、もう少しね。素顔の楓さんは普段あんまり見れないから」

そう言って、わらった。

「やだ、あんまり見ないで」

MAKIDAIは、楓が照れて顔を隠そうとする手を掴み、

「素顔も可愛いよ。おやすみ」

と楓の額におやすみのキスをした。

「うん、おやすみ」

楓は、少しドキドキしていたが疲れていたせいか、心地よいせいか、すぐに記憶がなくなった。

MAKIDAIは楓の寝顔を見ていると、事故の時の傷が気になった。

指先で髪をそっとあげる。

生え際のすぐ下の所に傷痕があった。

「はぁ…」

天井を見上げて大きなため息をつく。

(大切な人にこんな怪我させて…。守ってあげなきやいけないのにな)

少し切ない気持ちになってしまった。

これから、楓を守って行くために乗り越えて行く壁がいくつもある。

そんなことを考えながら、眠りにつくMAKIDAIだった。
< 68 / 78 >

この作品をシェア

pagetop