会いたい
MAKIDAIは寝返りの痛みで目が覚めた。

いつもなら、痛みを堪え一人寝返りをうつだけだが、今夜は隣に楓がいる。

楓の寝顔を見るだけでほっとする。

(次は、いつ泊まりに来てくれるかのかな)

眠るのがもったいないくらいだった。

一方、楓は…。

一度も眼を覚ますことなく、よく眠っていた。

気持ちとしては、緊張もするし、MAKIDAIと同じく眠るのが惜しいくらいなのだが、睡魔には勝てなかった。

そして、朝になり楓が目覚める。

ぼーっとしながら、MAKIDAIの横顔を見つめる。

(んー、夢?じゃなくて、本物だよね。だって、温かいもん)

身体のふれあう部分から、体温が伝わってくる。

楓は、にやける。

誰にも見られていないのに、思わず顔を手で隠してしまう。

🎶〜〜🎶〜〜

楓のスマホのアラームが鳴る。

(あっ、あっ、やばい、やばい)

慌ててアラームを止める。

(起こしちゃったかな?)

MAKIDAIを見ると、まだ眠っているようだった。

(よかった。んー、昨日は、よく眠れたかな?…もうちょっとこうしてたいけど、先に起きて色々やっておこ)

そう思い、そっと起き上がろうとすると、

「ん…もう起きるの?」

MAKIDAIが眼を覚ました。

「あ、やっぱり、起こしちゃった?ごめんね」

楓は、肩をすくめて申し訳ないなさそうな顔した。

「ん〜、もう少し一緒に寝よ〜」

そう言って、MAKIDAIが楓に抱きついてきた。

「ふふふ」

「なに?」

「MAKIDAIさんもこんな可愛い声で甘えてくるんだなぁって」

「ダメ?」

「いいよぉ」

楓は、そう言ってMAKIDAIの胸に顔を埋める。

(MAKIDAIさん甘えたりするんだ。自分のことより人の事ばっかり考えてる人が、こんな風に甘えてくれるとなんか嬉しい)
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