第3者恋

思った時には

〖陸side〗


僕が告白をしようと思った時には既に、君に彼氏がいた。


それも、僕の大切な友達、蒼だった。


昔はヤンチャしてたみたいだけど、そこからは比べ物にならなほどいい人。


だから手を出すつもりも、告白するつもりもない。


この想いは胸に閉まっておく。


「あ、そのプレゼント俺のだよ!」

「え!?蒼先輩のなんですか?!なんだろな〜!」


こんな笑顔を春野さんが誰かに、特に男子に向けるのは蒼と兄弟以外にいない。


あのゆーでさえ、ここまでの笑顔は向けられない。


「うわぁ〜!猫のネックレス。可愛い〜」

「後ろ向いて、付けてあげる」

「ありがとうございます!」


こういう会話を聞いてると、蒼は女慣れしてるんだと思うけど。


そこには強い想いがある。


そりゃ念願叶った恋だもんね。

嬉しくもなるはずだよ。


羨ましいと最初は思っていたけど、次第に微笑ましく思えてきた。

蒼には勝てないと知ってるから。
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